テーパリングの考え方はマラソン、ランニングといったエンヂュランス種目については親和性が高いので是非とも理解しトレーニング計画、レース計画に反映したいものです。
テーパリングはレース当日までのコンディショニング計画に際しての考え方になりますが、もともと金融、医療用語として「先細り、少しずつ縮小していく」といった意味で派生しています。
スポーツコンディショニングにおけるテーパリングについて詳しく知りたい場合は、河森直紀氏の『キーピングのためのテーパリング』を読まれることをお勧めします。
そもそもテーパリングはキーピングの一つの要素であり、キーピングのために、テーパリング・体組成コントロール・心理的手法・カーボローディングがあると考えます。
また『疲労の除去=テーパリング』ではありません。このことは同書における左図の『フィットネス疲労理論』が重要とされています。
〇フィットネスはプラス(+)の入力
〇疲労はマイナス(-)の入力
〇Preparednessはプラスとマイナスの出力の合計
〇Preparednessは言い換えるとポテンシャルといえる
◆フィットネスは急性の変化量は小さく、変化の速度は遅い
◆疲労は急性の変化量は大きく、変化の速度は速い
トレーニング直後は疲労のほうが大きいのですが、時間が経過するとフィットネスが少しずつ下がり、
それよりも速く疲労が下がります。結果としてPreparednessは少し上がる状態になります。
つまるところPreparedness(ポテンシャル)ができるだけ高い状態でレース当日に臨みたい
わけです。ハードなトレーニングをし過ぎれば疲労が残ります。
反対に疲労除去のために休養をあまりにも多くとるとPreparednessは落ち込みます
さてフィットネス疲労理論はこれまでの超回復理論ではカバーできないところまで網羅
できていることとしています。
私も拝読しながら、『ぼんやりとしていた自分の考え』が理論化されていて、興味深いです。
テーパリング(キーピング)が上手くいったからと言ってポテンシャル以上の力はだせません。
しかしレベルが上がれば上がるほど数%の力の出力が結果(タイム)に大きく影響します。
シューズのおけるNikeヴェイパー3%も同様の考えですね。
【名古屋市瑞穂区のランニングクラブ・リライズランニングプロジェクト】